まだ立つことはできない赤ちゃんでも、おとなのかたが体を支えてあげると、足をピーンと伸ばして立つような仕草をすることがあります。

赤ちゃんが足を突っ張る反射なんてある?

あります!
反射を試す方法なども教えます。
赤ちゃんが足を突っ張る反射の名前は?

赤ちゃんの両脇を抱えて抱き上げると、ピンと足を伸ばします。
ぴょんぴょんと跳ねるように屈伸したり、自分で力強く着いた足を蹴り上げたりすることもあります。
このように、赤ちゃんはまだ一人で自分の体を支えて立つことはできませんが、立とうとするような仕草をします。
支えられて立たせると足をピンと突っ張る仕草は、赤ちゃんが生まれながらに持つ反射の一つです。
陽性支持反射の一部と言えます。
陽性支持反射:
新生児の脇下を支えて抱き上げて足底を床につけると下肢、体幹が伸展し、起立する反応。※1
「陽性支持反射」があれば「陰性支持反射」はあるの?と疑問に思う人のために補足ですが、その答えは「はい、あります」。
陽性支持反射の下肢が進展する反応と比べ、陰性支持反射は屈曲する反応です。
陰性支持反射:
新生児の脇下を支えて空中に抱き上げると、下肢を屈曲する反応。※(1)
足を突っ張る反射が見られる時期
足を突っ張る陽性支持反射は、いつから見られるのでしょう。
胎児期後期から、生後3〜8か月まで ※2
陽性支持反射は、なんと胎児期後期から出現します。
お母さんのお腹の中にいる頃から足を突っ張ることを練習しているんですね。
陽性支持反射が消失するのは生後3〜8か月です。※2
新生児の頃から足を突っ張る仕草は反射としてできますが、より力強く活発になってくるのは生後4か月ごろでしょうか。
この頃になると、足を伸ばしたと思っても長時間は伸ばしていられず、足をぴょんぴょん跳ねるように屈伸する動きとして見られることも。
生後7か月ごろになると、さらに足の力がつき、抱き上げると自分から力強く足を蹴り上げるような仕草を見せることもありますね。
足を突っ張る反射を試す方法
陽性支持反射を簡単に試す方法としては、おとなの方がソファなどに座って膝の上で抱っこしているときがいいでしょう。
赤ちゃんの首がすわってからの方が安心です。
こうすると、赤ちゃんは座って屈曲させていた足を伸展させるでしょう。
膝の上でなくとも、安全な場所であれば床や布団の上などでやってみてもいいですね。
陽性支持反射の可愛い仕草
足をピンと伸ばす赤ちゃんの反射はとても可愛らしいものですね。
しかし、やはりまだ体を支えるバランス感覚が乏しく、筋力も十分ではないので自分で立つことはできません。
だからこそ見られる、陽性支持反射の赤ちゃんの面白くて可愛い仕草を紹介したいと思います。
可愛い仕草① 足をカクカク

おとなの方に手伝ってもらい、ピンと足を伸ばすことができた赤ちゃん。しかし、慣れない体勢にバランスが取りにくい様子ですね。
床を踏み直したり、屈伸したりすることで、なんとかバランスを持ち直そうとします。
何度も足の裏で床を踏み直し、足がカクカク動くので、ビートを刻んでいるようにも見えませんか?
可愛い仕草② 前方に倒れて迫ってくる
おとなの方と向かい合って足ピンしているときですが、少し赤ちゃんを支える力を弱めてみるとやはりうまくバランスが取れないことがわかります。
体ごとママ・パパの方へ倒れてしまいそうになります。
ふらふらで危なっかしい状況ですよね。それでも赤ちゃんはパパママに遊んでもらっているという感覚なのか、とても楽しそう?
体がふわっとする感覚やそのスリル感を味わっているのでしょうか。パパママの顔が近くで見られるのも楽しいのかもしれません。
まとめ
赤ちゃんの足を突っ張る反射を紹介してきました。
いずれは消失してしまう、この時期しか見られない貴重な反射なので、見られるうちに試してみたいですね!
参考文献
※1 https://text.nankodo.co.jp/cms/rehabilitation/pdf/pts/support/9784524255337/1.pdf
※2 バイオメカニズム学会誌.1999,Vol.23,No.3
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